依頼者見舞金に反対する意見

平成29年3月3日に日弁連の臨時総会が行われましたので、多少の準備をして、依頼者見舞金制度に反対する意見を述べてきました。

次のような内容です。

釧路弁護士会の岩田圭只です。

反対の意見を持つ当会の少数派会員を代理するのに派遣されましたので、一言述べさせてください。

 

ここにいる皆さんは、不祥事を撲滅しなければならない、との気持ちで全員一致していると思います。

しかし、一方で、この見舞金制度は、不祥事を防止するものではない、ということも、当然皆さん理解しているはずです。

 

それでも、なぜ、このような制度を導入しなければならない、というのでしょうか。

議論の順番が、逆ではありませんか?

あってはならないことを、起こさないためにはどうするか。

それを先に議論する方が、より本質的ではないのでしょうか。

まずは、本気で予防策を議論すべきだったのです。

反対するなら対案を出せ、という研究者もいるようです。

言っているではないですか。

例えば、フランスのカルパ制度を見習って制度を作ることも考えられるでしょう。

より安全に人の資産を管理できないか、まずは、皆で知恵を出し合いましょう。

 

このような見舞金制度を、現執行部は、ゴリ押ししているように見えます。

ろくな議論もなく、強権的な会運営を行う執行部は、猛省すべきです。

そんな会運営をしながら、外に向かっては、立憲主義を守れなどと良く言えたものです。

 

ここにいる皆さんは、不祥事を何としてもなくさなければならない、との気持ちで一致しているはずです。

ここにいる多数の弁護士の英知を結集すれば、それは可能なことです。

やればできる、必ずできる1んです。

まず、全国の会員と弁護士会が、心と力を一つに合わせて2、不祥事の根絶を図るために頑張りましょう。

最初に取り組むべきは、不祥事の防止です。

見舞金を払って適当にお茶を濁すということを、先にやるのではないのです。

 

反対意見も根強い中、このような制度を導入すれば、必ずや禍根を残します。

そして、日本弁護士連合会の「統合」が損なわれることを、私は、強く懸念しています。

私たち弁護士は、日弁連という大きな船3に共に乗っています。

しかし、このままでは、この船が沈むことは避けられません。

それどころか、船頭自ら、船を沈めるようなことをやって、どうするんですか。

 

そんな日弁連の姿を、私は、見たくありません。

以上、反対の意見を申し上げます。

さて、結果としては、依頼者見舞金制度についての議案は可決されました。

不祥事とは関係ない会員、特に若手の会員もこのような制度による負担を必然的に被ることになると、大変申し訳なく思います。

この制度の運用が順調に進むかどうか極めて強い懸念がありますが、不祥事防止のために何か良い知恵を出せないかどうか、そこは引き続き良く考えていきたいと思います。

 

 



  1. 分かり易く司法試験界のカリスマに倣った。 

  2. 前会長の良く用いていた言い回しである。スローガンとしては結構だと思うのだが、言うだけではダメなのではないかと感じている。 

  3. このとおり用意してきたところ、たまたま、当日の会長による冒頭あいさつでも同様の例えがなされていたので、驚いた。他の幹部が言っているのが聞こえてきたこともあるので、このような言い回しが流行っているのであろうか。確かに、沈みゆく船である、という含意を持つ例えなのであれば割と的確なのかもしれない。